日本人は保険好き。アフラックのがん保険が売れた理由。
アフラックといえば、がん保険。
例のアヒルが毎日、テレビでがん保険を売りまくっています。
外資系のアフラックが、
日本のがん保険を席巻しているわけですが、
それには理由があります。
その理由を説明したいと思います。
理由その1。日本人は保険好きです。
国民健康保険、という世界的にみても大変優秀な国民皆保険というシステムがあるにもかかわらず、
日本人は世界で一番貯金をし、病気になったときに備えて数々の保険に加入しています。
※スイス・リー(再保険の会社)の2012年の調査です。
スイス・リーのシグマ調査(2012年)
これによると、アメリカ全体の保険料の合計が5680億ドルに対し、
日本全体の保険料の合計は52400億ドル。
人口はアメリカのほうが日本のほぼ倍なのを考えると、
日本の保険市場がどれだけ大きいかわかると思います。
ちなみに、世界第1位がアメリカで2位が日本です。
ちなみに全世界の人口の約1.8%が日本人です。
にもかかわらず、全世界の保険料の、約20%を日本人が支払っています。
日本は世界でも珍しい、保険大国です。
理由2。日本人は将来の不安に敏感な国民
アフラック(旧アメリカンファミリー生命保険)の社史には
1970年、大阪万国博覧会の開催中に初来日した当時社長のジョン B.エイモスは、多くの日本人が風邪予防のためにマスクをしているのを見て、その健康や衛生に対する意識の高さに着目、その頃すでにがんが死因の2番目にまで増加していた日本に進出することを決意しました。
とあります。
見ようによっては、
「これだけ衛生意識の高い国民であれば保険料を払うだろう、日本市場は大きい」
というふうにも受け取れます。
わたしたちは、
将来の不安に敏感な国民であり、大きな市場であると
アフラックの創始者は思ったようです。
理由その3。アフラックに有利な日米保険協定
日米保険協定。このことを知っている日本人はどれだけいるでしょうか。
保険は、
- 第一分野(生命保険)
- 第二分野(損害保険)
- 第三分野(医療保険、がん保険などその他)
という三つの分野にわけられています。
そのうち、
第三分野の保険を日本国内の生命保険会社や損害保険会社が取り扱う事は、
2001年まで規制により事実上禁止されていました。
これは、
1994年から毎年開催された日米保険協議で協議の末、決定されていたのです。
ちなみに
1996年、日本では新保険業法が施行され、
生命保険業と損害保険業の相互参入が可能になりました。
(でも、第三分野に日本の企業が参入することはNG)
アメリカンファミリー生命保険が第三分野の医療保険、がん保険を販売しはじめたのは
1974年です。
日本の企業が日本人に医療保険を売ることは
アメリカと日本の協議の末に、禁止されていた。
このことを踏まえて振り返ってみると、
日本の大手である日本生命が医療保険を販売し始めたのは、2001年。(ニッセイ医療終身保険「生きるチカラ」)
損保ジャパンひまわり生命(現NKSJひまわり生命)は1993年に終身医療保険を発売していますが、
それはその当時「アイ・エヌ・エー生命保険株式会社」という外資系の企業だったからです。
当然これはアメリカの保険業界にとっては大きな優遇政策です。
少し話はそれますが、
郵政民営化を考えると、
郵便局を民営化する、という一体だれのための政策だかわからなかった「改革」が
郵便局にある20兆円を超える資金を民営化するということなのだ、ということや
かんぽ生命ががん保険を売ることができなかった理由、
(2013年、日本生命とかんぽ生命ががん保険を販売しようとしていましたが
発表直前に販売ができなくなりました。詳細はこちら
ビジネスジャーナル:アフラック・日本郵政提携の衝撃、生保業界から怒り噴出「TPPの犠牲」「民業圧迫」)
なども、違う見方ができそうです。
でもこのことはなぜか、
日本のマスコミでは大きく問題になっていません。
そして現在、TPPでは農業問題に注目が集まっていますが、
その陰でひっそりと、混合診療が解禁されようとしています。
一見、わたしたち日本人の診療の選択が広がることのように見えますが、
その一方で薬や医療器具、混合診療を前提とした医療保険など日本に大きな市場が生まれることでもあります。
混合診療の解禁を、アメリカが強く望んでいることでもわかります。
というわけで、
がん保険などの医療保険の分野で、アフラックが日本の市場を握っているのは
政治上の理由も大きくかかわっている、ということもわかります。
まとめ
日本のがん保険のシェアをアフラックが握っていることは、
製品が優秀だったというのももちろんあると思いますが、
アフラックなど外資系保険会社が有利な状況が、政治的に作られていた、という面も忘れてはなりません。
なぜか、
日本のマスコミはこのことにほとんどふれません。
(大スポンサーですからね)
これから保険の見直しをする場合は、
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